「昔の詩」

その頃はまだ時がうんとあると思っていたので
自分が必死でつくったうすっぺらな雑誌も
それほど大事にはしなかった。
若年はそれほど時間の意味を思わず
時の鬼の皮肉さを知らず
いつのまにかどこかへ散逸してしまった
どこかでうっかりめぐりあわせた時
自分自身のみずみずしさにあきれ
その頃の未完にほれぼれするのだ

焔に薪を 永瀬清子

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